プリニウスの博物誌、本邦唯一の完訳。全6巻。Ⅳ は原著の19巻~25巻の内容を収録する。
第19巻 第18巻の続き。ローマのパン屋、キュウリを愛好したティベリウス帝、「キケロ」という姓はエジプトマメの最良の栽培者であったことに由来する、などの作物に関するエピソードを多数収録。
第20~25巻 各種の野菜・草花・草・穀物・果実・樹木など、あらゆる植物の薬物的効用について。キャベツは胃や頭痛など様々な症状によく効くなど、それぞれの植物がどんな病気・症状に効くか、薬の作り、処方の仕方など大変詳しい。迷信や伝承によるものが多いが、当時の医薬知識の総体を把握する上で大変重要な資料である。プリニウスが特に力を注いだ部分で、『博物誌』全37巻中8巻が植物の薬効についての記述に充てられている。
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