プリニウスの博物誌、本邦唯一の完訳。全6巻。Ⅲは原著の12巻~18巻の内容を収録する。
第12~17巻は樹木についての巻。コクタン、コショウ、シナモン、綿の木など外国産の樹木、各種の香木、リンゴ、ザクロ、イチジク、オリーブなどの果樹、樹脂、カシやブナ、カエデ、シトロンなどの木材をはじめ人間生活に有用な木々について述べる他、樹木の栽培法、果樹園の管理の仕方について、香料のつくり方、パピルス紙の歴史、飲酒の習慣のはじまり、ぜいたくな木製家具、花冠や花輪をつくる植物など、樹木に関わる多種多様な知識が披瀝されている。
第18巻ではコムギ、オオムギ、インゲンなどの各種穀物の性質と、ローマにおける農業の基本理念、農耕方法、農場経営、農業と天文の関係などについて具体的に記述している。
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