基礎から学ぶ級数論

基礎から学ぶ級数論

1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります

出版社
コロナ社
著者名
長嶋祐二 , 福田一帆
価格
2,970円(本体2,700円+税)
発行年月
2021年11月
判型
A5
ISBN
9784339061222

本書では,小学校で学んだ簡単な数列の知識から始まり,なだらかな稜線を辿り「フーリエ級数の計算」という名の双頭の一つ目の山頂を目指します。さらにもっと高みを目指したい読者のために,難解な「フーリエ級数の収束性」という基礎論の二つ目の頂上も用意してあります。読者の方々が小学校,中学そして高校レベルの知識へと段階的に進み,徐々に新しい定理や知識を身に付けていくことができるよう,以下の構成としました。

1章「フーリエ級数の導入―フーリエ級数の身近な応用例―」では,ピアノの音をフーリエ解析することで,フーリエ級数が生活の中でどのように利用できるかの概要を学び,目的を明確にします。一つの応用例を通して,目指す一つ目の山頂の目標を明確にします。「なぜ基本的な波で表すことが可能なのか」という疑問をもつことが大切です。理解できない部分があっても,まったく問題ありません。また,級数の基本となる等比数列と等差数列について学びます。
2章「数列の収束性―ε-δ論法への挑戦―」では,高校までで学んだ数列の収束や発散について学びます。しかし,この章では,のちの5.6節で学ぶフーリエ級数の収束性の証明に必要となるε-δ論法が出てきます。でも安心してください,双頭の二つ目の山頂を目指さない人は,ななめ読みあるいは読み飛ばしても構いません。ε-δ論法やそれに続く上極限や下極限などは,数学を専門とする人以外は必要ないからです。
3章「無限級数-べき級数を学ぶ,その前に―」では,べき級数を理解するために必要となる知識として,無限級数の収束の概念,収束するのか発散するのかを調べられるさまざまな判定法などについて学びます。
4章「べき級数―フーリエ級数を学ぶ最後の準備―」では,べき級数,そしてテイラー展開やマクローリン展開を学びます。ここでは,級数が収束する領域を表す収束半径という概念も学びます。
5章「フーリエ級数―目標に到着,フーリエ級数―」では,複雑な関数をf(x)を直交関数系と呼ばれる三角関数を用いて表す方法について考えます。まずそのために必要なオイラーの公式と三角関数のおもな公式,周期の概念,直交関数系の概念を学んでから,フーリエ級数の基本について学びます。最後に,具体的な関数をフーリエ級数に展開する方法についても学びます。

本書では,重要あるいは難解そうな定理には,詳細な証明を載せるように心がけました。そして,それらの定理の使い方を学ぶために例題を用意してあります。例題には,わかりやすい解答過程を載せるようにしました。また,各章の章末には章全体の理解確認の問題を用意してあります。各章末問題の解答は,詳細に計算過程を載せるように心がけました。さらに,基本的な計算過程のほかに理解を補う別解法がある場合には,その過程も載せるようにしています。
なお,本書ではフーリエ級数による身の回りの波の解析としてピアノの音を扱っています。また,例題や問題には,図や動画を用いて説明しています。それぞれQRコードを付してありますので,ぜひ動画を見て理

お気に入りカテゴリ

よく利用するジャンルを設定できます。

≫ 設定

カテゴリ

「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。

page top