事例検討会の形式はいろいろあります。そのいずれにも共通するのは,複数のメンバーが集うことによって,そこには一定の社会的な構造が存在することでしょう。個人スーパービジョンとは異なる面持ちの空間になりますし,グループスーパービジョンとも少し違うようです。メンバーの数だけ臨床感覚や理解の仕方,技法の選択などがありますので,同質のものにも異質なものにも触れる機会となります。とりわけ異質なものに出会ったとき,私たちの臨床的感覚と理解は一段と進化するように感じます。自分では思ってもいなかったような視点が提示されることもありますし,アセスメント自体も修正を余儀なくされたり,良かれと思ってしたことが否定されたりという経験は皆が共有するところです。自分自身の人間性や臨床家としての資質そのものにダメ出しをされたように感じて,深刻に落ち込むこともあります。そういう苦しいけれども意義ある体験に開かれていくことが,クライエントに対するセラピストとしての姿勢にもつながり,さらなる可能性を開いてくれると思います。(「はじめに」より抜粋)
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