現代精神分析基礎講座 第3巻

精神分析学派の紹介1ークライン学派,対象関係論

現代精神分析基礎講座

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出版社
金剛出版
著者名
古賀靖彦 , 日本精神分析協会精神分析インスティテュート福岡支部
価格
4,180円(本体3,800円+税)
発行年月
2021年11月
判型
A5
ISBN
9784772418355

第3巻では,クライン学派と対象関係論(独立学派)を紹介する。
精神分析は,S.フロイトから出発し発展していくなかで,無意識という概念を軸に,ひとのこころのありようを探索し理解するさまざまな方法が検討され,概念化,理論化されて,臨床技法が磨かれていった。

そうしていくつかの学派が形成され,精神分析の適応も拡大している。そのなかで,子どもの治療に携わったクラインによる早期の対象関係に着目した学派にクライン派がある。フロイトが対象外とした精神病患者や自己愛的な患者との分析臨床からは,こころの機制についての理論が精緻化された。治療困難な患者の理解やアプローチについての考えが推敲されている。

英国の自我心理学派,クライン学派,および独立学派は,1942年から44年にかけて行われたアンナ・フロイト=クライン論争の結果生まれた。すなわち,精神分析理論の正統性を巡って,アンナ・フロイト率いるグループとクライン率いるグループが火花を散らして大論戦を繰り広げたが,そのどちらにも与しなかった人たちが独立学派と呼ばれるようになった。この状況を評して,英国の外では男性が,内では女性が戦争をしていた,と言われた。私は,このように,英国の学派が,戦争にも喩えられる厳しい状況を経ることによってその主張や立場の違いが検討され明確にされたところに創造性を見出す。

これは,聖徳太子の時代から「和を以って貴し」とされてきている日本と異なり,西欧では人と異なる意見を持つことにその人の価値があるとされてきている文化の一つの結果とも言えよう。

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