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写真とフィクションの関係をひもとく
「真実があらわになる瞬間に立ち会うこと、それに興味があったんだと思う。半分は発見されるが、もう半分は創造される瞬間に。」――J・M・クッツェー
アパルトヘイトが強化されていく1950年代、クッツェー自身がケープタウンのカレッジ時代(12歳~16歳頃)に撮影した貴重な写真が2014年に見つかった。作家が10代のころ、写真家になりたいと思っていたということは最近まであまり知られていなかった。『少年時代』の世界が目の前に立ち現れたような131点の写真をクッツェー研究者のハーマン・ウィッテンバーグが分析し、編んだのが本書である。写真とフィクションがどう結びついているのかを考察する最良の資料だ。
学校の友人や教師をスパイカメラで盗み撮りした写真、スポーツイベントの様子、ケープタウンの自然環境や建物、受け継がれてきたカルーの農場と労働者など生活の様子を撮影した写真だけでなく、人種隔離政策が浸透していった50年代の南アフリカの政治状況を記録する写真もある。そこから、自身が身を置く特権的な白人世界の境界を押し広げようとする作家の姿が見えてくる。また、初めて公開される16歳の蔵書の写真からは、作家の自己形成期への影響が見て取れる。クッツェーのインタビューも収録!
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