もみの木

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出版社
ふらんす堂
著者名
深見けん二
価格
2,200円(本体2,000円+税)
発行年月
2021年10月
判型
B6変
ISBN
9784781414126

●第十句集

先生はいつもはるかや虚子忌来る

この三月五日、幸い白寿を迎えることができました。丁度「珊」に発表した句もほぼ三年に達しましたので、ここで最後の句集をまとめることを決心しました。

句集名は現在お世話になっているケアホームの名前「もみの木」)よりなづけました。

(著者)



●収録作品より

啓蟄や九十八の志

先生はいつもはるかや虚子忌来る

車椅子に乗せていただき桜狩

緋牡丹の蘂噴き上げて真盛り

生涯に虚子の一語や明易し

もみの木の緑蔭をこそ恃み住み

浮いて見ゆるうすき紅色夏料理

何につけ頼みの君も萩の露

百歳は近くて遠し星祭る

水澄んで人それぞれに故郷あり

時雨るるやケアのランチはオムライス

忌の近き青邨晴に我等今日

介護受けつつたつぷりと初湯かな

寒晴や仏に近く椿見て

菰の中一輪の熾寒牡丹

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