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薬売りだった父を亡くした、はる。
一つ年上の兄は、口入れ屋から奉公先を紹介してもらい、その支度金ではるを親戚に預け、江戸へと旅立っていった。
十年の月日が流れ、江戸からやって来た絵描きの彦三郎の絵に、生き別れの兄の姿を見た彼女は、兄と再会すべく江戸へと旅立つ。
彦三郎の世話で、かつては人気の一膳飯屋だったものの、
偏屈者の治兵衛が継いでからすっかり寂れてしまった「なずな」で、住み込みで働くことになるのだが……。
慎ましくも美味しい庶民の料理、そして彩り美しい江戸の四季の中、一生懸命生きる人々を描く時代小説の開幕!
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