美知比幾

美知比幾

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出版社
ふらんす堂
著者名
河内文雄
価格
3,300円(本体3,000円+税)
発行年月
2021年9月
判型
A5変
ISBN
9784781413792

念力の通過手間取る網戸かな

作者は呼吸器内科という、今まさにコロナ禍という一瞬たりとも気の抜けない、緊迫の最前線に身を置く。そんな状況下にありながら、僅か二年で第二句集という超人的な作家活動も塾す。俳句を忙殺される本業のシェルターなど甘くは考えてはいない。

むしろ仕事と創作という両輪の均衡が、既に抜き差しならぬトポフィリアTopophillia「場所への愛」を作り上げてしまったようだ。

しかし、これからの道程、そこを安住の地にしてはならぬのかも知れぬ。

帯より:中原道夫



◆「美知比幾」十二句選

春泥をただ駆け回る祭とや

藤揺るる空とはいへぬ高さにて

袋角いかにも喧嘩弱さうな

短夜のほぼ雑音の子守歌

放埒や縦に寝そべる雲の峰

達人は動かぬやうに綿花摘む

大文字書き順守る気はさらさら

当番の世事に疎きが秋刀魚焼く

鶏頭の十六本目隠れけり

白菜の大きな面をしてやがる

冬立つや雲に差したる雲の影

雪吊のあそこらへんが幾何究理

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