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福澤諭吉の「痩我慢の説」にみる強靭な批判精神、森〓外と北里柴三郎の「脚気菌論争」、芥川龍之介がたびたび用いた「のみならず」の深層心理、梶井基次郎の遺作「のんきな患者」のエスプリ、三島由紀夫の「豊穣の海」にみる「虚無」、ヘミングウェイが作品に注いだ死に直面するエネルギー、深沢七郎の老人愛、若山牧水が海にたくした思い……天才作家たちはどんなこころの病理を抱え、何に悩み、どんな心理を作品にこめたのか。名作の行間から浮かび上がるそのこころのエネルギーを精神科医ならではのアプローチで読み解きます。筆者は飯田橋ガーデンクリニックの院長。医療系大学での教授を経て、医療現場の最前線で、日々たくさんのこころの悩みを抱えた患者と向き合っています。前著から10年の歳月をかけて書き溜めた本書パートⅡも、前著同様、作品とその研究書の丹念な読み込みによって生まれた独自の作品論で、時に筆者ならではのユーモラスな観点も読みどころとなっています。
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