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現代社会のその先を作るために。日本の歩みを記憶として地域から残し伝え考えるための本。日本史ファン、研究者必携のシリーズ4冊目。
本書は、信濃国と越後国(現在の長野県と新潟県)にまたがる信越地域を取り上げます。国境を超えて互いに影響を及ぼしあっていた、信越の大地・生活文化・宗教と信仰・近代化への道筋などの多様なトピックを、長いタイムスパンから影響関係に注目しながら読み解いていきます。
なぜ影響関係に注目するのでしょうか。
地方史というと、県や市、町が出す自治体史を想像される方も多いかもしれません。試しにその自治体史を隣の県の自治体史と読み比べてみてください。例は出しませんが、全く内容が異なることが少なくありません。
本書では、そういった既存の自治体史を乗り越えるべく、信越という地域を設定し、新たな地方史像を提示することを試みました。
信越の歴史を読み解くことで、新たな地方史像のみならず、新たな日本の歴史を描き直すことの意味をも提示します。
執筆は、宮澤崇士、原田和彦、笹本正治、樋口明里、望月 誠、竹下多美、佐藤 慎、渡部浩二、由谷裕哉、竹之内耕、成田 健、木島 勉、柳生俊樹、室 正一、二星 潤、平林大樹、野村駿介、小栁義男、荒川 将、西山耕一、前嶋 敏、山中さゆり、浅倉有子、清沢 聰、小酒井大悟、花岡公貴の26名。
【本書のキーワード】
郷土食と伝承、戦国武将、選択無形民俗文化財、地域の特産物、幕府への献上、栽培管理方法、食文化史、北信濃、蕎麦と笹寿司、形態と分布、都市の祭礼、一様ではない文化、婚姻の儀礼と行事、嫁見、伝統の衰退、仏教美術、多様な印相、絵像と模刻像、山岳仏教、戸隠山と妙高山、祭礼の継承、交通と宗教、親鸞信仰、旅行案内書、神社史、神社の統廃合、オンライン資料、フォッサマグナ、糸静線、大地と暮らし、太古の海、貝化石と古生物、集落遺跡、希少石材、石材の加工術、青銅器文化、発掘調査、祭祀の地域性、弥生時代、鉄剣と墳丘墓、土器の編年、木簡資料、古代の役人、『論語』、古代寺院、古瓦の可能性、仁和の洪水、藩校役人の日記、幕末の時間割、西洋砲術の稽古、陶器製作、レンガ製造、トンネル開通、スキー術の伝播、「信越」と「越信」、矜恃と郷土愛、インフラ整備、水利権争い、共生型水資源開発、信玄と謙信、境界争い、軍記物、古文書保存、海防八策、武備の近代化、震災記録絵図、高田城への被害、幕府からの保証、奔走する庄屋たち、幕領と私領、情報収集と運動、山争い、江戸の裁判、石塚築造、史料批判、転封命令、榊原騒動
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