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シリーズ第5巻は「それから」を大活字、読み仮名付きで収載し、2巻分冊とした。1冊目には「十」までを収録。「それから」は「三四郎」「門」と並んで前期三部作のひとつに数えられる長編小説。
本作の主人公、長井代助は実業を生業とする家の次男として、不自由ない暮らしをしながら三十を越えてなお独身でいた。心配した家の者から何度も縁談を持ちかけられるが、代助はそのことごとくを知識人なりの思索力と感応性のために断ってしまう。そんな折に同窓の親友平岡とその妻三千代が上京してくる。二人と再会した代助の生活は大きく動きはじめていく。「社会」に生きるか「自然」に生きるのか。明治知識人の苦悩を、破滅的な愛を通して描き出す傑作。
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