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「ねぇ、あの鳥さん、泣いてるね」ーー山の上動物園のメスクジャク・ピーコは、放し飼いの自由の身にもかかわらず、鳥小屋の外に出ようとしない。それは、遠い夏の日を思い出すからだ。1年目の夏、メスのクジャクと少年は出会った。3年目の夏、1羽とひとりでボール遊びをした。5年目の夏、メスクジャクは待っていた。そうして、鳥小屋から一歩も外に出なくなってから10年目の春、いじっぱりのメスクジャクが目にしたのは……。成長の痛みと愛をえがいた、感動のファンタジー。
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