1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります
本書は六つの章と二つのコラムで構成され、弥生時代開始期から古墳時代前期までを対象としている。近年発表した諸論に一つ加え、新稿の第6章で副題に込めた関心を文章化した。
本論の意図は、はじめに国境ありきの一国史を離れ、比較考古学の視点から日本諸島における中の民の形成に迫ることにある。ヒスイと碧玉はストーンアクセサリーの玉石材である。青銅、鉄など、使用と製作が普遍化していく金属と違い、玉石材は一般に東北アジア、日本諸島といった地域世界ないしその一定範囲で普及する。ヒスイ勾玉と碧玉管玉の組み合わせは、大陸文化に連なる民であると同時に独自の民として自らを認識した現れでもあった。
ヒスイ、碧玉を用いた玉の造形、組み合わせを観察、生産流通と分布を分析し、碧玉製品はじめ継起する現象を関連づけ、議論していこう。あらためて旧稿『倭の玉器 玉つくりと倭国の時代』の視点を今に生かしたい。多様な地域性の連鎖から一つの大きな倭へ、本州諸島民のなりたちと民族形成、倭国成立の実像が見えてくる。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。