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「熊がやむを得ず射殺されました」「魚が一生懸命運ばれています」…著者の感覚では不自然と感じる、ラレル・テアル・サセルを使った文の表面下にあるものを探り、文法面だけでなく、意味面でも変化が多数起こっていることを見る。
■「まえがき」より
本書の主な目的は現代の日本語に起こっている変化について述べることである。比喩的に言えば、そして、やや大袈裟に言えば、現代の日本語に地殻変動のようなものが起こっていることについて、主に述べる。(中略)
国立国語研究所に勤務していた時のことである。2011年だったと思う。所内の集まりで、私から見て違和感を覚える受動文について話したところ、そこにいた所員のほぼ全員が、違和感が無いと言った。「どこがおかしいんですか?」という反応であった。日本語の専門家の方々がこのような反応をしたので、私は「これは大変だ。本にして書かなければ」と強く思った。その結果が本書である。
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