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筆者の諸河久氏は1960年代から国鉄列車の撮影に親しんできた。とりわけ東海道新幹線開通前の東海道本線は、151系特急電車が東京~大阪間を疾駆する戦後の黄金時代であり、1963年から翌1964年にかけて、東海道本線の優等列車撮影に熱中していた。
以来、半世紀に及ぶ鉄道写真歴の中で、全国に四通八達する国鉄線で撮影した列車写真は、著者自身のアーカイブスの中で大きな割合を占めている。
かねてから、端正な国鉄列車写真とその出自を解説する出版物を構想し、今般、アナログ作品のデジタルリマスター化を進捗させるなど、「本造り」に向けて邁進してきた。
掲載した国鉄列車の解説には、このジャンルの泰斗である寺本光照氏を共著者に迎えて、該当列車の出自や列車編成図など、精緻な解説を記述している。
国鉄列車を一冊で纏めるには膨大な頁数となるため、機関車牽引の動力集中型と電車・気動車の動力分散型に二分した。「電車・気動車列車編」として編集した本書では、電車特急、気動車特急、電車急行、気動車急行を多数の写真と解説文、列車編成図とともに掲載している。
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