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言葉 - 声 - 身体の臨床………
経験はどうやって語れるのだろうか
経験はどうやって聞きとれるのだろうか
本書は、リハビリテーションの臨床のなかで、「対話」を通して本人やセラピストの双方が気づき、考え始めることをできる限り漏れなく書き留めることで、臨床の生きた流れを再現したものです。
リハビリテーション・カルテの枠内に書ききれないこと、そうであれば欄外に書きこむしかない気づきが思考の契機となり、それによって発見されていく情報が臨床の質を向上させていくという臨床家の「実感」が浮き彫りにされています。
本人とセラピストとの対話によって動き始める思考を?ぎ合わせ、観察や科学的知見を織り交ぜながら展開させることこそがリハビリテーション独特の臨床思考の原動力であり、治療効果を生み出すための臨床判断の根拠にもなっていることが明らかになってきます。
さらに、「対話」を「言葉 - 声 - 身体」が融合した仕組みであるととらえ、この仕組みが生み出すものをいっそう意識的に活用することが、リハビリテーションの臨床の実体であり、本人とセラピストがひとつの治療目標のもとに、それぞれにその臨床の当事者としての経験を生きている時間と場所を共有していくということこそ、リハビリテーションにおいて活用される「対話」という営みのもっとも力強い生命力、言ってみれば人間の認知機能が活発に動く「力場」であると考えます。
本書では、詩人の力を借りて、リハビリテーションの臨床をそうした「言葉 - 声 - 身体」の世界として読み直します。
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