欧陽脩

知泉学術叢書

欧陽脩

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出版社
知泉書館
著者名
劉子健 , 小林義廣
価格
4,950円(本体4,500円+税)
発行年月
2021年9月
判型
B40
ISBN
9784862853455

唐宋八大家のひとり欧陽脩(1007-72)は,今日に至るまで,古典学(経学)者,歴史家,考古学者,政治家,政治理論家,とりわけ古文の文筆家,詩人として多くの名高い業績を残してきた。
中国では唐代(618-907)の半ばから宋代(960-1279)にかけて中国史上で大きな転換期を迎える。貨幣経済の深化,交易の展開,印刷術の発達をはじめ,貴族支配から官僚統治への発展により,大きな社会的影響が波及した。それに伴い学術(経学)から文芸に至る広い分野で革新が生じ,その運動の一翼を担ったのが欧陽脩であった。科挙で活用される定型的な文体から古文の復興を主唱し,伝統的な儒学を一新して新儒学の構想を展開しつつ,新たな政治改革「慶暦の新政」を試みたが失敗し左遷された。後に宮廷に復帰し,着実な改革を生涯にわたり実践し,王安石の新法や朱熹による道学・理学への道を開いた。
本書は,戦後アメリカで活躍した代表的歴史家である著者が,欧陽脩の人生と著作活動の全体像を西洋の読者に分かりやすく提示した定評の概説書である。宋代以降,一千年の長きにわたり中国史に脈々と流れる伝統の源泉として,唐宋変革期の実相に迫る上で,本書の叙述は読者に新たな示唆を与えよう。英語から日本語に訳される詩文も相まって,傑出した文人・ユマニストの活き活きとした全貌が開かれる。

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