「隠す」行為は文化や種の違いを超えた普遍的な心の働きであり,「嘘も方便」という格言の例など,私たちの社会生活に複雑に浸透している。社会心理学,発達心理学,認知心理学,生理心理学,動物心理学の領野から隠す心理にまつわる12の話題を厳選し,紙上討論を巻末に収載。心を科学的に探究する面白さへと誘う一冊。
【主な目次】
はじめに
●第1部:対人コミュニケーションからみた「隠す」心理
第1章 日常的な嘘の社会的機能
第2章 懸念的被透視感
第3章 欺瞞の手がかりと検出の正確性
●第2部:発達からみた「隠す」心理
第4章 子どもの嘘の理解
第5章 子どもの嘘の生起:語り・想起・会話に潜む嘘の発生因
第6章 自閉スペクトラム症児のあざむきの発達
●第3部:記憶からみた「隠す心理」
第7章 記憶の語り直しによる「自己欺瞞」
第8章 嘘による記憶の変容
●第4部:「隠す」心理の生理反応
第9章 末梢生理活動からの情報検出:隠匿情報検査
第10章 情報隠匿時の中枢神経系活動
●第5部:動物の「隠す」心理
第11章 サルとイヌのだまし合い:戦術的あざむきの進化
第12章 鳥類の「隠す」心理:ヒトや類人猿との比較
●第6部:「隠す」心理に関する研究の展開
第13章 紙上討論
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