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〓熊本、東京、埼玉そして中国を巡った文学者の足跡と作品〓
詩人にして小説家、昭和初期から戦後にかけて文学に人生を捧げた蔵原伸二郎(1899-1965)の生涯とは。
芸術に魅せられた幼い頃、上京後の文学活動、影響を受けた萩原朔太郎や井伏鱒二らとの交友、埼玉での生活と戦後にかけての創作への取り組みなど、彼の人生をたどるとともに作品を幅広く紹介。
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この本は詩人にして小説家であった蔵原伸二郎(一八九九〓一九六五)の評伝である。彼は昭和期の初頭から昭和四十年(一九六五)にかけて活躍した文学者である。この本の副題はもしかしたら、「熊本・東京・埼玉そして中国」である。彼は熊本で生まれ、東京に出てきた、そして戦後は埼玉で暮らした。兄が上海にいたこともあり、中国にたびたび出かけた。また、戦時中、大東亜派遣視察団の一員として昭和十七年(一九四二)、満州に行ったことがある。そのような彼の生きた道程からこの本の副題を「熊本・東京・埼玉そして中国」とするつもりだった。
文学者の伝記は様々であるが、この本でわたくしの感想・批評を若干、付加した。それが読者の皆さんに楽しみをもたらすかどうか不安である。
(中略)
ところで、なぜ自分は蔵原の評伝を書いたのだろうか。そう自問して、しばらく瞑想した。すると、答えが出た。
第一に詩人の生涯に強い関心を持っていたこと。第二に蔵原を基軸としつつあの時代(昭和初期から太平洋戦争中、戦後期)の文学状況を探究したかったこと、第三に飯能の文芸文化誌『飯能文化』『武蔵文化』『雑草』『陽炎』等の関係者に感謝したかったこと。以上三点である。
そのような次第で、ここにやっと蔵原伸二郎の評伝を出すことになった。
(「あとがき」より)
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