取り寄せ不可
初めて会う彼との愛も、薔薇のように、
自然のままに育めると人は言うけれど……。
花売り娘だったマギーが優しい老富豪に拾われ、屋敷で働き始めて2年。
その雇主が突然帰らぬ人となり、マギーは悲しみに暮れた。
遺言状には、広大な屋敷は孫息子のボウが相続すること、
家族同然の使用人たちを1年間は雇い続けることが記されていた。
つねに海外にいる実業家のボウはやがて屋敷を売り払うのでは――
そう危惧した使用人たちは、マギーがボウの子を産めばいいとけしかける。
会ったこともない人と結婚して跡継ぎをもうけるだなんて、私には無理。
一方ボウは、祖父が“乳母”なる名目で雇い入れたマギーに眉をひそめた。
子供のいない家に乳母とは! 祖父との関係は? 財産目当てか?
疑ったボウは彼女を前に思わず口走った。「君は妊娠しているのか?」
大スター作家エマ・ダーシーの90年代の秀作をお届けします。生前、跡継ぎが途絶えることを憂えていた祖父をはじめ、古参の執事や家政婦、庭師たちは皆、ボウとマギーが結ばれることを心から願っていました。それなのに、ボウときたら、疑心暗鬼に陥っていて……。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。