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正倉院や東大寺をはじめとする花やかな天平芸術の創造にたずさわった工人たちは、どのような歴史を経て、いかなる活動をしていたのか。東大寺の大仏の造営の行われた8世紀半ばを中心にして、日本で活動するようになった画工が政府の工房に組織され、その制作活動を拡大していく過程をたどり、やがて9世紀には官司工房としては衰退して、そこから新しい画工の民間工房が成立していく方向を展望するとともに、古代国家の文化の形成基盤の全体像を解明する。
目次
はじめに
概観 古代国家の工人たち
1 律令官司の画工
画工司の組織/中国・朝鮮の画工
2 渡来した画工
はじめて来た画工/飛鳥寺の造営
3 画師身分の成立
画師の制定/天寿国繍帳/なぞの画師倭
4 画工司の活動
画工司の成立/画工の職能/法隆寺金堂壁画
5 造東大寺司の画工
東大寺の造営/造東大寺司の成立/造寺司の画工
6 ある画工の軌跡
上村主楯万呂/写経所の楯万呂/石山院の楯万呂
7 官司工房の解体
造東大寺司の廃止/画工司から画所へ
終章 自立する画工たち
参考文献
略年表
解説 山岸公基
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