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1961年に世界初の「栽培漁業」という言葉が誕生してから60年の歳月が流れた。今では小学校5年生の社会で誰もが習うようになった。とはいえ、漁業をめぐる国際情勢や国内事情も大きく様変わりし、途絶えてしまった技術開発も散見しつつある。そこで、本書はこれまでに得られた知見と技術を整理し、栽培漁業を含む増養殖分野の諸先輩が構築された幾多の成果を継承しつつ、筆者自らの経験と実績に基づいて具体的に書き起こすことで後世に残すことを目的に企画された。栽培漁業を語るうえで不可欠な親魚養成、餌料培養、種苗生産、放流後の効果の把握をテーマに4つの部に分け、さらにそれぞれの部において具体的な生物を対象に、各論としてより詳しい手ほどきを追加した。魚類だけでなく、エビ・カニなどの甲殻類やイカ・タコなどの頭足類まで様々な生物を通じて図や写真も交えてわかりやすく紹介する。
また、実体験をもとに描かれたコラムでは、「飼育屋」と呼ばれる彼らの姿が垣間見られる。飼育現場を通じてみる対象生物とヒトとの関係はある種の駆け引きのようで、生物学のひと味違う魅力を引き出している。
主な目次:Ⅰ.栽培漁業[1章 栽培漁業:増殖と養殖の違い、栽培漁業の着眼点、栽培漁業を構成する要素(作業工程)、作業工程のフィードバック管理、栽培漁業は実践学門の集大成/2章 栽培漁業の歴史:なぜ栽培漁業が必要となったのか、種苗生産のブレイクスルー、都道府県による栽培漁業の推進、日本栽培漁業協会の発足、日栽協(国営栽培漁業センター)と都道府県の役割分担、栽培漁業の転換期]
Ⅱ.親魚養成と良質卵の確保[1章 総論:はじめに、現状、残された課題と今後の方向性/2章 各論:魚類【アカアマダイ、クロソイ、クロマグロ、シマアジ、トラフグ、ニシン、ヒラメ、ブリ、ホシガレイ、マツカワ】、甲殻類【イセエビ、ガザミ、クルマエビ、冷水性甲殻類(ケガニ、ズワイガニ、ハナサキガニ)】、頭足類【コブシメ、マダコ】]
Ⅲ.餌料培養[1章 総論:餌料培養の歴史、現状と課題、今後の方向性/2章 各論:ワムシ/植物プランクトン]
Ⅳ.種苗生産[1章 総論:種苗生産の考えかた、飼育環境/2章 各論:魚類【クロソイ、クロマグロ、サワラ、シマアジ、トラフグ、ニシン、ハタ類、ヒラメ、ブリ、ホシガレイ、マツカワ】、甲殻類【イセエビ、ガザミ類、クルマエビ、ケガニ、ズワイガニ、ハナサキガニ】、頭足類【マダコ】]
Ⅴ.放流効果の把握[1章 総論:はじめに、調査目的と標識技術、輸送の技術、放流の技術/2章 各論:定性調査、定量調査、人工種苗放流のリスクとその管理]
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