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自ら体験した「真実」を追い求め、ドキュメンタリー写真を芸術の域にまで高めた伝説の写真家W. ユージン・スミス。写真集『MINAMATA』は、写真史上最も偉大なフォト・ジャーナリストの一人の代表作であり、最後の仕事として知られます。
高度経済成長期の日本に起きた四大公害事件の一つである水俣病を、現地に3年以上暮らし、当時の妻アイリーンとともに命を懸けて取材。長らく絶版となっていた、水俣の真実に迫る不朽のドキュメントがいまここに蘇ります。
写真はせいぜい小さな声にすぎないが、
ときたま――ほんのときたま――一枚の写真、あるいは、
ひと組の写真がわれわれの意識を呼び覚すことができる。
もし充分に熟成されていれば、写真はときには物を言う。
それが私――そしてアイリーン――が水俣で写真をとる理由である。
(本書より抜粋)
巻末には書き下ろしエッセイ、水俣病関連年譜、歴史解説、医学報告などの最新資料を収録。
【寄稿】
「ユージン・スミスの遺したもの」 石川武志(写真家)
「邂逅のフォトストーリー」 山上徹二郎(映画プロデューサー)
「水俣病関連年譜」 斎藤靖史(元朝日新聞記者・フリージャーナリスト)
「水俣病 歴史と解説」 斎藤靖史
「水俣病 医学からの報告と解説」 頼藤貴志(医師・岡山大学大学院教授)
「写真は見る側が完成させるから」 アイリーン・美緒子・スミス
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