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「材料力学」は、主に棒や軸、はりなどの一次元構造が外力を受ける際の変形や、構造内部に生じる応力を求め、その健全性・安全性を評価する学問である。二次元や三次元の固体構造物の変形を扱う「固体力学」や、材料の破損・破壊を扱う「材料強度学」、さらにはき裂の進展挙動から材料・構造物の信頼性を評価する「破壊力学」の基礎を担う学問であり、機械工学において欠くことのできない重要な専門分野の一つである。
令和元年、日本機械学会誌に連載された「やさしい材料力学」は、本書の著者が材料力学の必須項目と基礎的例題を12か月にわたるシリーズとしてまとめたものである。本書はその連載をベースに解説を加え、さらに例題や演習を充実させたうえで編集されている。
かねてから日本機械学会が主催する講習会において、機械系の技術者だけでなく電気系や化学工学系の技術者などから、よりやさしく日常の業務にも使いやすい教科書の要望が出されていた。また大学や高等専門学校の教員からも、教育の多様化に伴う講義時間数の減少に鑑み、より敷居が低く、学生にとって予習・復習がしやすい教科書への要望が挙げられていた。本書はこういったさまざまな要望に応えるとともに、国際標準の技術者教育認定制度〔日本技術者教育認定機構(JABEE)〕への対応も考慮したうえで、多くの大学や高等専門学校のシラバスを参考にしながら初学者にも理解しやすい入門的教科書を目指した。
本書は、応力とひずみ、棒の引張と圧縮、熱応力、軸のねじり、はりの曲げ、柱の座屈、組合せ応力、ひずみエネルギーなどの材料力学における必須の内容から構成されている。変数や定数等の記号は可能な限り重複使用を避けるとともに、専門用語や公式、問題の解き方などについて慎重な議論と検討を幾度も重ねたうえで編集を行った。本書をすみずみまで熟読し、厳選された例題と演習問題を解いて頂くことにより、材料力学に関する基礎学力をじゅうぶんに養って頂けるものと確信している。
材料力学を、さらにはその先の弾性力学、固体力学、材料強度学、破壊力学を学び、この日本の機械工学を支える技術者・研究者を目指す皆さんにとって、まさに本書がその出発点となれば幸いである。機械工学への新たな一歩を踏み出す学生の方々、学びなおしの一冊として教科書をお探しの社会人の方々にも、令和時代の材料力学にふさわしい新定番の教科書として本書をお届けする次第である。
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