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この国はユートピアか、究極のディストピアか。
北海道新聞文学賞受賞作家が、閉塞を深める今の世に問う渾身の長篇小説。
清潔にとりすました社会が隠蔽する限りない闇。汚れた仕事を押しつけられ周縁に排除される人々。
近未来のこの国は私たちの国の合わせ鏡である。
「至福の死」に抗う老人・結城紘一郎は、脳内空間の向こうになにを求めたのか……。
政府による「高齢期リスク・チェック」により、5年以内に「人生の成就」プランを受けるよう勧告された便利屋の結城紘一郎。利用者に「至福の死」をもたらすこの政策を拒絶する紘一郎のもとに、プランを提供する企業の社員、楢本千晶が家族からの依頼を受けて説得に訪れた。
この出会いがやがて、互いの人生を大きく揺り動かすことになる……。
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