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損害賠償算定のうちでも、特に難解とされている分野の1つに休業損害と逸失利益の算定が挙げられる。事故に遭いケガを負って、やむを得ず休業しなければならない事態に陥った被害者の休業損害。あるいは不幸にも被害者が死亡してしまった場合、事故に遭わなければ将来にわたって得ることができたであろう所得の喪失。
いわゆる、逸失利益の算定には、事故以前の被害者の所得に対する確かな裏付けが必要になる。所得の中には、賠償の対象となるものと、そうではないものがあるので、所得の内容把握はもちろん、それらの妥当性を担保する証拠が必要で、これらの資料が揃うことで初めて休業損害ならびに逸失利益算定の手続を進めることができるのである。
今年度の注意点は、令和2年度税制改正による給与所得控除の引下げ・基礎控除額の引上げに加えて、ひとり親所得控除の新設・寡婦控除の見直しである。これらの改正により、住民税も変更となる。
また、令和3年施行改正会社法による取締役の報酬に関する見直しも注意が必要である。
自動車保険、賠償責任保険における損害査定は、ますます複雑化する傾向にあり、一方では、被害者救済の観点から、公正妥当かつ迅速に損害査定を行うことが社会的に強く要請されている。こうした状況を解決するため、損害査定実務担当者にお勧めの解説書である。
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