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近年、これまで男性ばかりであったコーチングの現場に、少しずつではあるが女性が増えてきている。それは日本代表や国内トップリーグといったトップスポーツでも同様である。また、日本国内で指揮を執る外国人女性コーチもおり、女性コーチは国を超えて、活躍の場を広げていることが分かる。ただし、女性コーチの数は依然少なく、とくにトップスポーツで活躍する女性コーチはごく僅かである。また、様々な研究においても、女性はあらゆる競技種目、競技レベルにおいて、コーチになったり、コーチとしてのキャリアを積み重ねたりする上で多くの課題に直面することも明らかになっており、コーチングの現場は依然女性が活躍しづらい環境のままとなっている。にも拘わらず、日本国内における女性コーチに関する問題を体系的に整理した書物は存在せず、女性コーチの現状を知ることが出来る資料は限られている。そのような状況を鑑み、女性コーチの実際について理解を深めることを目的として本書は編まれた。本書では、まず第1章にて女性コーチに関する歴史的・学術的背景と現状について紹介する。第2章では、各競技で活躍する女性コーチに対するインタビューから、彼女たちのキャリアや現在のコーチングについて紹介する。女性コーチのこれまでの歩みを通じて女性コーチが直面する障壁について広く認知されることにより、女性コーチを取り巻く環境の改善に寄与することが出来れば幸いである。さらに、女性コーチになるというキャリアの選択肢を可視化することにより、コーチになりたい女子・女性アスリートが増えることも期待したい。
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