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鬼を祓い、人を呪う
星を観測し、暦をつくる
彼らは何者か
日本を裏で支えた異能の者たち、陰陽師の謎に迫る。
古代中国で生まれた易(えき)や陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)の考え方が日本にもたらされたのは六世紀のこと。
それが陰陽道(おんみょうどう)という思想となり、国政に取り入れられて「陰陽師」という存在を生んだ。
科学技術の乏しい時代、陰陽師は天文から災異を知った。暦をつくり、人々の生活を支配した。
明治時代に廃止されるまで、陰陽師は科学者であり呪術者だった。
陰陽師の歴史を辿るとき、それは同時に日本を知ることなのだと気付かされる。
もしかすると今の世にこそ 陰陽師が必要なのかもしれない――
章構成
第一章 陰陽師の役割と貴族社会
そもそも陰陽師とは当時の最先端の科学技術機関である、陰陽寮(おんみょうりょう)の官僚だった。つまり国家公務員である。エリートである彼らは天文観測、天変地異の予測をして天皇に奏上し、暦をつくり日々の吉凶を示し時刻を管理していた。同時に、占いによって土地の選地などを行う国にとって欠かせない存在だった。彼らの詳しい仕事ぶりに迫る。
第二章 安倍晴明のスーパースター 安倍晴明
九二一年(推定)に生を受け、一〇〇五年に亡くなった安倍晴明。今からちょうど一一〇〇年前の京都に生きていた。スーパースターの彼は一体何をしたのだろう。狐の母から生まれ、幼少の頃から妖怪と鬼を視た。式神を駆使し、死んだ人間を生き返らせたなど、神さまのように語り継がれる晴明の異能の所業をかいつまんで解説する。
第三章 陰陽師のスターたち
安倍晴明だけでない。日本には沢山の陰陽師たちがいた。修験道の祖・役小角(えんのおづぬ)、唐で学んだ陰陽道の達人・吉備真備(きびのまきび)、安倍晴明のライバルでアンチヒーロー・蘆屋道満(あしやどうまん)、晴明の師である賀茂保憲(かものやすのり)など。魅力的な彼らの存在が日本を陰から動かした。
第四章 陰陽道と陰陽師の歴史I
陰陽道の基になっているのは中国で生まれた易や陰陽五行説。日本にそれらがもたらされたのは六世紀のこと。いかに陰陽道が日本に取り入れられ、政治を動かし、「陰陽師」という存在が生まれたのかの軌跡を辿る。古代中国の思想にも触れて理解を深めることができる。
第五章 陰陽道と陰陽師の歴史II
平安時代に黄金期を迎えた陰陽師。試行錯誤して生き残っていく賀茂家と安倍家の二大陰陽師家。やがて西洋から入ってきたグレゴリウス暦の登場により、徐々に陰陽道は廃れていく。一八七〇(明治三)年に政府から陰陽道を禁止されるまで、陰陽師は日本を陰から支えてきた。近代化に埋没した彼らの歴史を辿る。
第六章 実践で使える陰陽道
陰陽道は現代でも日本の風習に深く根付いている。この章では五行属性や九星などの占い、陰と陽の食べ物のお話や健康に良いツ
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