中国王朝が自らの領域の全体を明示すべく、各地域の歴史とデータを集積し作り上げた総合的書物「一統志」。
元・明・清において編まれたこれらの書籍は、東アジア諸国や欧州へも伝播し、近代の地誌・歴史編纂にも影響を与えるものであった。
近代的領域認識の萌芽を体現するこれらの編纂物は、いかなる時代状況において作られたものであったのか。
編纂前史から、王朝三代にわたり編纂されたそれぞれの「一統志」のあり方、周辺諸国や後代に与えた影響をも考察し、「一統志の時代」を浮かび上がらせる。
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