江添栄一郎画文集

江添栄一郎画文集

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出版社
アイカラー
著者名
江添栄一郎
価格
3,300円(本体3,000円+税)
発行年月
2013年8月
判型
A4変
ISBN
9784905092148

江添栄一郎氏の作品世界は独創傑出したものである。1980年代より始まった、古代エジプト文明を念頭においた作品の多くは200号の大作で見るものを圧倒する。「太陽神話と死生観、星座へのロマンと現代との融合」を目指したという。このことは「霊魂の不滅・トウトアンクアモン」(1986年)「太陽神話・スフィンクス讃歌」(1987年)などを見れば納得することができるであろう。悠久の古代ロマンを高らかに謳うその作品は、稀有壮大といって良いスケールを持つ。と同時に、そのユニークなモチーフの構成により、単なる古代幻想の枠を乗り越え、ポップアートにも通じる現代的な感覚を伝える。またその表現方法も極めて特徴的である。幾何学的遠近法によらず、またフォルムに陰影を施さないため、平面性の強い装飾的な画面となっている。また、明確な輪郭線により地と図の境界が画然とし、作品が持つメッセージが直截に伝わる。さらに江添作品のカラーといえる鮮明な青色と赤色の対比が作品世界を際立たせる。言うまでも無く、青は宇宙や深海をイメージするとともに死後の世界、彼岸を暗示する。また赤は燃え立つ生命とともに、豊饒な大地をイメージし、此岸を暗示する。この象徴的な青と赤を主調色とすることにより、生と死、彼岸と此岸が共にある、時空を超えた世界を表現しようとする。さらに近年の「遥かなる青き地球に愛と勇気と夢を」(第63回独立展1995年)、「地球の涙・愛・祈り」(第66回独立展1998年)などでは古今東西の神話や逸話を総動員して、汎神論的な江添ワールドを現出させてみせる。「エコロジカルな視点で、古代文明讃歌と現代の告発を交錯させて壮大な時空間を絵画化している」「絵画という方法を現代に馴染ませるのではなく、現代を告発し批判するところで成り立たせようとする文明批評と独特のコズモロジーの立場に立った大きな飛躍であり、他に類例をみない表現である」とは評論家ヨシダ・ヨシエ氏の感想である。この「他に類例をみない」独自の絵画世界は、ここ数年の作品では今日的な問題に軸足を移している。地球規模の環境破壊問題にとどまらず、テロ、民族紛争、さらには東日本大震災による未曾有の悲劇を扱い、強い警告を放ちつつ、慈愛の精神を訴える。こうした問題告発をテーマとした絵画が、プロパガンダに陥り、類型化することが多いなか、依然として独自色が濃厚である。それは、どんなに悲劇的な問題を取り上げようと、それを表現するにあたりどこかでユーモアの精神が発動し、画面が重苦しくなるのを防いでいるからであろう。クジラの背中に乗ったイースター島のモアイ像や、グラフィックに表現された龍神などその一例である。さらに言えば、前述したように絵画表現の特徴となるその平面性、装飾性により、現実のリアリティにワンクッションがおかれるため、個別のテーマが突出することなく江添ワールドに収斂するのである。
(序文 平塚市美術館館長代理・土方明司/文 より抜粋)

古代文明や古今東西の神仏をモチーフに、現代の抱える様々な問題への警句をポップアートにも通じる鮮やかさで描く。作画人

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