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筒美のシングル売り上げは7560万枚で、2位の小室哲哉(7184万枚)を凌ぐ。作ったのは3000曲近い。名実ともに日本一のヒットメーカーだ。
彼の作曲家としての凄さは、最新の音楽潮流をとりこんで、一般人にわかりやすい音楽として加工し続けたところにある。
いしだあゆみ「ブルー・ライト・ヨコハマ」はロックだが和風で小唄調、太田裕美「木綿のハンカチーフ」はフォーク&ニューミュージック風、岩崎宏美「ロマンス」は流行りのディスコサウンド、ジュディ・オング「魅せられて」と庄野真代「飛んでイスタンブール」はエキゾチック。その時代、時代でのブームに乗っているし。さらにはその時流を読んで、ヒットしそうなものを仕掛けていたのである。
ほかに誰もが知る曲としては、近藤真彦「スニーカーブルース」、小泉今日子「なんてたってアイドル」、「夜明のMEW」、松田聖子、南沙織、野口五郎、郷ひろみ、中山美穂、少年隊、小沢健二、サザエさん・・・。
まあ、とにかくありとあらゆるヒット曲を書いた。
さて、近田春夫氏は、じつは筒美を師匠とあおぎ、生前きわめて親しかった稀有の人物である。そして、多くの音楽シーンもよく知る。名連載「考えるヒット」の筆者として有名な近田氏が、筒美の魅力を腑分けしたら面白くないわけがない。
近田氏による詳細な「筒美京平論」は、本書の骨子となる。
もちろん、満を持して出すのであるから、それだけではない。筒美の私生活はほとんど知られていない。そのプライベートな側面を知る実弟・渡辺忠孝氏への近田氏によるインタビューによって、筒美の生立ちや音楽との歴史が明らかになる。そればかりか、筒美の曲を最も多く作詞した橋本淳氏、それから筒美楽曲のディーヴァともいうべき平山三紀(現・平山みき)氏への近田氏によるインタビューも収録した。
まさに筒美京平をめぐる完全版ともいうべき本である。
ファンならば手元に置きたくなるデータも巻末に付した。
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