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上りエスカレーターの「昭和世代」、下りエスカレーターの「平成世代」。「令和世代」の多くは、下りエスカレーターから飛び下りた!
「『ジャパン・アズ・ナンバーワン』ともてはやされ、世界から賞賛され、ひときわ大きな奇跡の輝きを放っていた日本。けれど、「平成」になってその経済成長は止まり、国際競争力もつるべ落としに下がり、信じがたい凋落ぶりを示しています。なぜ、私たちは、今、こんな絶望的な状況に置かれているのか。どうすればいいのか。救いはどこにあるのか」
本書は、経済ジャーナリスト・荻原博子さんのこんな怒りと疑問によって生まれました。権力者や富裕層ではなく庶民の視点で、日本人のお金の問題を取り上げてきた荻原さんが見た平成の経済は、まさに「庶民が政府に騙され続けた歴史」でした。平成といえば、元年に3%で導入された消費税ですが、この年に私たちが払った「消費税」は約5・3兆円。ところが、この4割にあたる約2兆円が、国ではなく「事業者」の懐に入ってしまったことを知っていますか。
また、今でも支払った保険料の2・3倍の額は将来もらえると宣伝している「年金」も、その根拠となる「モデル世帯」は、「同年齢の男性と女性がそれぞれ20歳で結婚して、夫は60歳まで40年間ずっとサラリーマンとして働き、妻は40年間ずっと専業主婦として夫の扶養家族になっている」という、おおよそありえない設定で計算されたもの。もともとはナチス・ドイツの年金制度をモデルとして、ミッドウェー海戦の年に創設された「公的年金」。成り立ちからして怪しい年金制度の欺瞞にも踏み込みました。
他にも、? 平成で起きたのは、「トリクルダウン」ではなく「冨の吸い上げだった」。?「法人税」を減税しても、国際競争力は下がるばかり。?「貯蓄から投資へ」という新しい流れの先駆けとなった「ノムラ日本株戦略ファンド」は、いきなり4割に目減りした。?「小泉改革」での企業倒産数はリーマンショックより多かった。?「アベノミクス」は「アベのラック」だったなど、知られざる不都合な真実を、次々に明らかにします。
コロナ禍でも、後手後手にまわる政府の対応は目を覆うばかり。菅総理が目指すのは、政府を頼らずに自分の力で乗り越える「自助」が真っ先に来る社会です。「令和にも増税ラッシュは続きそうですが、増税はしても国は国民を助けない、そんな国になるのかもしれません」(荻原さん)
では、救いはどこにあるのか。私たちや子供の暮らしを守るために、どう生きればいいのか。その答えを導く知恵が、本書の中にあります。
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