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古代より連綿と続く演劇は、われわれを特別な――祝祭的な、と言った方がいいだろうか――空間に誘い続けているし、これからも誘い続けるであろう。演劇というジャンルを繙くことは、われわれ自身を繙くことになるだろう。われわれが舞台の上に見るのは、われわれ自身であるのかもしれない。舞台の上で演じているのは、われわれ自身であるのかもしれない。演劇を愛好するものであろうとなかろうと、われわれは演劇から目を背けることはできない。
本書は、イギリス17世紀の多彩な女性作家であるアフラ・ベーンの劇作家としての側面を解明すべく、彼女の代表的な作品11篇について論じながら、併せて、演劇というジャンルそのものへと考察を広げたものである。演劇論の文学史的俯瞰によってアフラ・ベーンの演劇を照射することが可能になり、また、彼女の戯曲と彼女の演劇への貢献を理解することによって、演劇の受容の新たな地平が開かれることを期待している。
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