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◆第四句集
春の星この世限りの名を告ぐる
「うつろひゆくもの」のひとつとして、季語に捧げる俳句を詠み続けたい。
(著者)
◆自選十五句
炎天や何求ぎて波つぎつぎに
ひるがほや死はただ真白な未来
造り滝みづべらべらと落としをり
月光に山征きにけり新豆腐
星なべて自壊のひかりきりぎりす
本ひらくやうに冬青空仰ぐ
野に山に枯みなぎりて醇乎たり
息の根のごとき海鼠を掴み出す
寒晴や高さ貪るビルの群
鮟鱇の恵比寿笑ぞ畏ろしき
春浅し川総身の鱗波
ひろびろと波打つ布のやうに春
一山の絶唱の花吹雪かな
桜散るいつもわれらを置去りに
春の星この世限りの名を告ぐる
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