日本はなぜ恨まれるのか?
近年アジアで繰り返された「反日デモ」を見るたびに、多くの日本人はこう感じたのではなかったか。「なぜいまだに我々は憎まれるのか?」と。本書はその要因を、戦後日本の脱植民地主義の失敗と、グローバル資本主義による東アジアの成長、そしてそれらの事態に対する日本社会の徹底的な無知にみる。台湾に生まれ、日本で育った著者が、東アジア全域をフィールドに日本への複雑な感情を多様な切り口で描き出し、対話と和解への道を探る。
「日本がなすべきことは、東アジアの和解と未来に向けた対話を始めるために、脱帝国化のプロセスに真摯に取り組むことである。それは、反日・親日主義に向き合うことに他ならない。」(本書より)
まえがき
序章 東アジアの反日主義(と親日主義)
第1章 ブルース・リーとゴジラが出会う時
――帝国横断的なキャラクター、反日主義、反米主義、脱植民地化の失敗
第2章 「日本鬼子」
――中国における反日主義の条件とその限界
第3章 恥辱の身体、身体の恥辱
――「慰安婦」と韓国の反日主義
第4章 植民地時代へのノスタルジアまたはポスト植民地時代の不安
――「光復」と「敗北」のはざまにいるトーサン世代
第5章 “愛という名のもとに”
――批判的地域主義とポスト東アジアの共生
第6章 もうひとつの和解
――親密性、先住民族性、そして台湾の異相
エピローグ 反日主義から脱植民地デモクラシーへ
――東アジアにおける若者の抗議運動
訳者あとがき
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。