無線通信物理層技術へのアプローチ

無線通信物理層技術へのアプローチ

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出版社
コロナ社
著者名
唐沢好男
価格
5,500円(本体5,000円+税)
発行年月
2021年8月
判型
A5
ISBN
9784339009491

本書は著者の「改訂 ディジタル移動通信の電波伝搬基礎(コロナ社)」の姉妹書であり、同書の最終章「フェージング環境におけるディジタル伝送特性」の内容を大幅に掘り下げる部分に多くのページを割いている。タイトルに「アプローチ」をつけたのは、アンテナ・伝搬・通信方式からなる物理層技術そのものと言うよりは、その全貌を理解するための道具やヒントを与える本にしたかったためである。
本書の前半では、Maxwell, Friis, 仲上, Rice, Bello等の先駆者によって紡ぎだされた物理層技術の理論や思想、そして、それが今なお無線通信の根幹に生き続けているものを取り上げ、わかりやすく丁寧な解説をしている。本書の後半では、フェージング環境下でのディジタル伝送特性、とりわけ、ビット誤り率の導出方法やその計算式を詳しく解説している。特に、10章~12章で扱う周波数選択性フェージング下での伝送特性の解析には、著者らが編み出した等価伝送路モデルを用いており、他書にはない独自性(=マニアックさ)を出している。原理や特性を説明するために数式も多用しているが、順を追って読んでもらえば理解できるように書いている。式の展開も、理解力の鋭い人には冗長すぎると思われるくらいに丁寧にしている。無線通信の教科書で馴染みの式がどのようなところからどのようにして出てきたかを知ることができる。

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