1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります
この本を手に取られた皆さんは、ジャズをお聞きになるでしょうか。著者は、あまり詳しい方ではないのですが、youtube 動画で楽しんでいます。とくに、ジャムセッションが好きで、各プレイヤーが臨機応変に演奏を披露する姿に感動をします。あるときはソロ、またあるときは、プレイヤーが前のプレイヤーに重ね、場合によっては、すべてのプレイヤーが息を合わせて演奏をします。
ジャムセッションには面白いことに、指揮者、マスターなどいません。各プレイヤーが自分の判断に基づいて演奏をします。もちろん周りの演奏者とは全く独立ということではなく、全体として調和がとれ、素晴らしいハーモニーと一体感を醸し出します。ジャムセッションでは、プレイヤーが自由に演奏をしているように見えますが、暗黙のルールが存在します。ルールというよりもマナーに近いのかもしれません。演奏する曲、イントロの始め方、メロディーラインの担当、ソロの順番、曲の終わらせ方などでしょうか。意外とルールがあるものだと思いますが、それでも、クラシックの交響曲などは、指揮者を中心に事前に綿密にルールを決め、練習を重ね、本番に臨みます。クラシックに比べれば、ずいぶんと自由に思えます。
本書で扱うROS2 は、ジャムセッションと本当によく似ていると思います。ROS2 はロボットを動かすシステムです。ROS2 ではノードを作り、ロボットを動かすための細分化した役割を任せます。それぞれのノードはお互いに通信をとって、タイミングよく動作します。ノードへの通信、ノードからの通信、ノードの動作も、それらの処理は、各々が独立した並列処理によって行われます。ROS2 はこのようにすべてのノードを独立に有意差なく運用するシステムと理解していただければいいかと思います。
実は、ROS2 の前のシステムのROS では、すべてのノードが平等というわけにはいかず、ROS master というものが存在して、そのほかのノードを運用していました。ROS2 になって、マスターはなくなりました。よりジャムセッションに近くなりました。ジャムセッションでは暗黙のルールで、円滑で調和のとれた演奏ができますが、ROS2 では暗黙のルールではなく、きちんと決められたルールが定められています。窮屈に思うかもしれませんがルールを守るといろいろなことができ、それにちょっとしたアレンジを加えていくと、ジャムセッションのようにいろいろなバリエーションと一体感を両立するロボットが出来上がります。
この本では、これ以上ジャムセッションのことは書きません。ROS2 について説明をしていきます。本書が皆様のお役に立つことを希望します。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。