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本書は「社会学概論」などの大教室を中心に、のべ1万5千人の大学生に話をしてきた著者の名物講義をもとにしたものです。社会をよみとく視点の鋭さ、読み物としてのおもしろさで、2018年初版後の3年度をつうじて学生諸氏におおいにうけいれられ、このたび増補版を刊行する運びとなりました。若者の貧困が深刻化の一途をたどるなかで、多くの学生さんに「この本なら卒業後も本棚に置きたい」と思ってもらえたことに、著者ともども心から感謝しています。
コロナ禍でオンライン授業が主流となり、学生生活がほぼ閉ざされたにもかかわらず、高額な学費だけはとられる。友だちに会えない/そもそも友だちができない、資料や設備が使えずまともに勉強できない、まして将来など思い描けそうにない。こんなんじゃとられ損だから退学したい―そう考える学生が増えるのも当然です。この惨状に対して国も文科省も、ほとんどの大学当局も教員も声を上げず、はては単位をエサに五輪タダボラを強制する始末。いったい何がどうなっているのでしょう?
高い学費も、お上意識も、経済至上主義も、「逆らってもしかたのない、あたりまえのこと」なんかじゃ決してない。まずはひとつひとつ、ことばや概念をていねいにときほぐしていって、この異常な事態がどこから来たのか、考えてみよう。本書はそのように告げています。
この3年のあいだ、いろんなことがありました。香港民主化動乱、アメリカの政権交代、モリカケ問題、そしてパンデミック。増補版ではこれらの出来事もふまえつつ、「腐敗」「陰謀論」「ウイルス」など最も熱い話題に関係することばを加筆。さらに学問の世界全体に影響を与える注目の概念として「文明」「人類学」などもくわえました。このイカレた世界を理解し、変化をうながすための思索の格好の道具として、学生のみなさんはもとより、多くのかたにご活用いただければ幸いです。(編集部)
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