剣を打ち直して鋤とする

コロナ禍の山谷で食の奉仕を続ける牧師の奮闘と読書礼拝の記録

高齢化する山谷の地で、牧会のかたわら低額弁当屋「まりや食堂」を長年運営する著者。コロナ下で元労働者たちの「食」を保障する奉仕に奮闘するまりや食堂の日々、伝道所の「読書礼拝」での黙想などを、「眼差し」というキーワードで語る。

【目次】

序
まなざしの地獄……見田宗介『まなざしの地獄』より
コロナ感染症下のまりや食堂と共生
　1 リウーの眼差し……カミュ『ペスト』より
　2 コロナ下のまりや食堂……2020年3〓9月の記録
　3 新型コロナ考……村上陽一郎編『コロナ後の世界を生きる』等より
さまざまな眼差し
　1 ガンディーの眼差しとキング牧師……竹中千春『ガンディー』黒崎真『マーティン・ルーサー・キング』より
　2 石牟礼道子の眼差し……石牟礼道子『苦海浄土』より
　3 ローズの眼差し（ある愛）……グレアム・グリーン『ブライトン・ロック』より
　4 怒りの眼差し……スタインベック『怒りの葡萄』より
　5 イエスの眼差し─表紙の男とイエス
　6 ヌヌの眼差し（ガラスの心）……レイラ・スリマニ『ヌヌ　完璧なベビーシッター』より
　7 キャシーの眼差し……カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』より
ヨブの眼差し（反抗と信従）……ヨブ記黙想
まりや食堂のイエス……高齢化した山谷の今と福音書のイエス
明治維新への眼差し……芝原拓自『世界史の中の明治維新』等より
あとがき