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〈身土不二〉という言葉を知っていますか。
これには、「人間と自然は一体である」という意味があるそうです。
さて、いにしえの沖縄には「フール」という世にも珍しいトイレがありました。フールとは、豚小屋とトイレが一体になった「豚便所」のこと。かつて沖縄の各家庭では、豚を飼育しながら同じ場所でトイレを使い、豚はそれを食べて大きくなって、肉となり人間の食べものになりました。
究極のゼロエミッションともいえるこの仕組み。どうしてこのような摩訶不思議なトイレができたのか?
本書『沖縄フール曼荼羅』では、沖縄でさかんな養豚との関わりから、フールの発生から衰退までの歴史をひもといていきます。戦後、フールは一気に衰退していき、今ではかろうじて遺構が各地に残されているのみです。このフールの遺構を沖縄独特の文化を学ぶための文化財として活用できないか。そんなことも本書では提案されています。
時代が進めばトイレ事情も変化します。フール亡きあとの米軍統治時代のトイレから、日本のトイレ、世界のトイレのルポも収録。めずらしいマチュピチュのインカ帝国王のトイレ、モロッコなどイスラム圏のトイレ、湖を利用した東南アジアのトイレは必見です。
わたしたちが毎日お世話になっているにも関わらず、あまり顧みられることがないトイレ。実は曼荼羅のように複雑で、人の生活や文化そのものがあらわれていると思うのです。冒頭で紹介した〈身土不二〉の言葉は、まさにトイレに通じるものだと思わせられます。
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