豊饒な思想の源流へ―中国との交渉、密教との関連、諸宗との議論といった試行の中で、中世禅の教学はどのように形作られてきたのか。
寺院・文庫調査の最前線における新資料の発見・紹介により、従来の仏教史の常識を覆し学界において注目を集めてきた『中世禅籍叢刊』のエッセンスを、平明な解説によって広く提供する。
◎ 目次
主要関連人物一覧
序章 中世禅の形成と知の交錯・・・・・末木文美士
【 第Ⅰ部 】
日中交流史の中の中世禅宗史・・・・・榎本 渉
茶将来説話から考える中世禅の見直し ―研究史における百年の桎梏―・・・・・米田真理子
禅研究の現在地 ―ベルナール・フォールを中心に―・・・・・亀山 隆彦
円爾系の印信から見る禅と密・・・・・菊地 大樹
【 第Ⅱ部 】
(1 中国禅から日本禅へ)
巨視的に見た中世禅の位相・・・・・伊吹 敦
教判から看話へ・・・・・土屋 太祐
日本禅宗における『宗鏡録』の受容・・・・・柳 幹康
道元の小参と法語・・・・・石井 修道
(2 純粋禅と兼修禅の新たな見方)
鎌倉時代後期における禅宗の台頭と南都北嶺・・・・・原田 正俊
鎌倉時代における兼修禅と宋朝禅の導入・・・・・舘 隆志
「兼修禅」から「純粋禅」を再考する・・・・・ダヴァン ディディエ
(3 達磨宗に関する新見解)
「達磨宗」についての新見解・・・・・古瀬 珠水
新発見『禅家説』と「達磨宗」・・・・・和田有希子
達磨宗新出史料『心根決疑章』の発見・・・・・舘 隆志
(4 新たな栄西像)
茶祖としての栄西像の見直し・・・・・米田真理子
鎌倉期の太宰府における天台宗と禅宗・・・・・山村 信榮
栄西と博多 ―「栄西と中世博多展」の開催を通して―・・・・・堀本 一繁
(5 禅と中世仏教)
新しい中世仏教観へ向けて・・・・・末木文美士
聖一派における「禅密」 ―癡兀大慧の理解を中心に―・・・・・亀山 隆彦
中世密教の教えの中の「以心伝心」 ―文観と禅密―・・・・・ラポー ガエタン
『教月要文集』を巡って・・・・・高柳さつき
(6 文庫と中世禅)
中世禅への新たな視野 ―大須文庫悉皆調査とその展開―・・・・・阿部 泰郎
大須観音ゆかりの地 ―初代能信の足跡を訪ねる―・・・・・三好 俊徳
金沢文庫管理『禅門詩文集』の本態・・・・・髙橋 秀栄
あとがき・・・・・亀山隆彦・榎本 渉・米田真理子
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