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第一次世界大戦後の戦間期,社会主義やファシズム,さらに大恐慌など,政治,経済,社会の全般にわたり大きな変化に見舞われ,様々な課題が衝き付けられる中で,経済学者たちはそれらの現象をどう分析し,対策を講じたのか。本書はケインズ(1883-1946)とその論争相手でフランスの行政官にして経済理論家ジャック・リュエフ(1896-1978)という二人の巨人を通じて,経済学の展開を考察する。
ケインズは古典理論から離れ,財政・金融政策による管理経済への道を開き,リュエフは古典理論の枠組みに留まりながら,価格メカニズムを尊重しつつ国家の市場介入を財政均衡の下に導入する必要性を主張した。そこでリュエフが取り上げた,永続的失業問題,インフレ,大不況,国際通貨制度,ドル危機,新自由主義,欧州経済統合などの問題群は,今日に至るまで問われ続けている。
ケインズの学説が主流になり,その影響下で展開する経済政策や経済制度を,リュエフは理論と実証の両面から厳しく批判し,それはケインズ亡き後も一貫して続けられた。
自由主義を再定義し新自由主義を構築し,ハイエクやフリードマンら多くの知識人に影響を与えたリュエフ。彼を知る者がほとんどいないわが国では英米系の経済学が主流だが,それは彼の著作がフランス語で書かれたことにも依る。
今日,資本主義システムが問題を抱える中,自由主義経済の広く深い可能性を探究するための必読文献である。
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