本の雑誌 458号(2021年8月号)

本の雑誌

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出版社
本の雑誌社
著者名
本の雑誌編集部
価格
880円(本体800円+税)
発行年月
2021年7月
判型
A5
ISBN
9784860115203

特集:途中経過!コロナと出版+上半期ベスト1

コロナ禍の一年、緊急事態宣言により日々の暮らしが制限されるなか出版界はどうなっていたのか!? というわけで、本の雑誌8月号の特集は「途中経過! コロナと出版」。伊野尾書店店主の体験談にコロナ禍の出版売上報告、そして取次から書店、漫画家にライター、カメラマン、図書館に出版倉庫まで18人の業種別影響レポートで、新型コロナウイルスと出版を検証する緊急事態特集だ。さあ、ここらで一度、コロナ禍ニッポンの出版界を振り返ってみよう!

新刊めったくたガイドは吉野仁が地獄だらけの心理サスペンス『僕が死んだあの森』を読むしかない!と激押しすれば、藤ふくろうはヤバイやつらが跋扈するピンチョン世界へようこそ! 大森望がビショップの時間SF大作『時の他に敵なし』がすごい!と声を嗄らせば、古山裕樹は警察官たちの群像劇『女副署長 緊急配備』が面白い!と太鼓判。高頭佐和子が山下紘加『エラー』に内臓を乗っ取られれば、冬木糸一は苛烈な議論が展開する巨匠クイーンの往復書簡を食い入るように読んで大満足。そして北上次郎は吉川トリコ『余命一年、男をかう』をすごい、すごいと一気読み! さあ、おじさんの脳が猛烈な勢いで回転して生み出した絶賛の紹介文は54ページ。四の五の言わずに読んでくれぇ!

そして今月はお待たせの上半期ベスト1も発表。独断と偏見の上半期エンターテインメント・ベスト10対談で、2021年年6月までに出た内外エンタメのおすすめ本が揃い踏みだ。文句なしの時代小説から強烈な印象の短編集、異世界ハードボイルドにおばあちゃんたちのロードノベル、年末刊行のノンフィクションまで入り乱れる激戦のなか、決定したベスト1は装丁も美しい新鋭の単著二作め! さあ、読み逃し本をチェックしたら、うちわにスイカに蚊取り線香を用意して、読書三昧のニッポンの夏を満喫だあ!

今月の図書カード3万円使い放題の挑戦者は映画監督にして脚本家にして作家の西川美和。入場料のある本屋、六本木の文喫を初訪問し、3万冊の棚をじっくり堪能。マルチな作家が厳選した9冊のラインアップは36ページだ。そして今月はこの2年をBLを燃料に生きてきた坂井絵里がBL小説への愛を激白。凪良ゆう、一穂ミチに並ぶ神レベル作家の推しから海外BLまで、沼より深く広く明るく眩しい果てしないBL海の世界をどーんと紹介するのだ。さあ、あなたも輝く海原へ漕ぎだしてみよう! さらに今月は坂嶋竜が法月綸太郎の10冊で、スメルズ・ライク・クイーン・スピリットなら、「黒い昼食会」は、はらぺこなのにお腹がいっぱい!? 高野秀行がしゃちほこ星人からの啓示を受ければ、大槻ケンヂはヴォネガットの話が始まらない! 16ページ増の特大号でちびっと高いが、中身はもりもり充実一途。本の雑誌8月号でコロナ禍夏休みの読書計画も万全だあ!

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