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〈沈黙は言葉なくしても存在し得る。しかし、沈黙なくして言葉は存在し得ない。もしも言葉に沈黙の背景がなければ、言葉は深さを失ってしまうであろう。にもかかわらず、沈黙は決して言葉以上のものではない。反対に、それだけのものとしての沈黙、つまり言葉なき沈黙の世界は、いわば創造以前のもの、完成されていない創造、いや、脅迫的な創造だとさえ言えよう。〉
(「沈黙からの言葉の発生」)
〈『沈黙の世界』と題された著作に収められた数々のみごとな文章のひとつのなかで、ピカートは無言のうちに流れる時間を、季節のリズムの黙した移り変わりを描出している。そこでは、モノが、ひとびとが、葉が、花々が、果実が、色が、物音さえが、黙した流れの裂け目から沈黙のうちに抜け出し、突然そこにあることになる(それは重々しく遅々とした成熟ではまったくなく、創造的湧出である)。〉
(レヴィナス「マックス・ピカートと顔」)
『われわれ自身のなかのヒトラー』ほかの著作で知られる思想家ピカートが、沈黙をめぐって思索する。その言葉は、騒音と喧騒の時代に生きる私たちに、深い読後感をもたらすであろう。レヴィナスの講演を付す。
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