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この本は、1937年にドイツのヘルダー書店から刊行された『WANIMARU』小林珍雄著の初の日本語訳です。
1934(昭和9)年、著者は日本海洋団の通訳として和爾丸号に乗り、行動を共にしました。
南洋航海という経験を通して、英・米・仏・蘭各国、植民地の少年団との交歓、若人による平和外交がその目的でした。
少年団(ボーイスカウト)の、和爾丸による東アジアや南洋への練習航海は、昭和九年に行われています。
この航海記は、通訳と外交上の世話係として同行した、小林珍雄氏によって書かれたものです。
日本とは違う、亜熱帯や熱帯の人々の暮らしぶりが、現地に行ったかのように、まざまざと眼前に見えてきます。
台風に見舞われた時の、帆船の死闘も、臨場感がありました。
小林氏は、なかなかの文章家です。読み応えがあります。
ドイツ語を日本語に逆翻訳された、瀧澤潔氏のお力も大きいかと思います。
紹介されている、少年団員の日記も立派です。
キリスト教の伝来や、西洋の国々による植民地化の様子など、日本史、世界史の勉強にもなります。
私は高等地図帳を開いて、国や都市の位置を確かめたのですが、当時と今では、名称が違っていたりするのです。
サイゴン(ホーチミン)、シャム(タイ)、バタビア(ジャカルタ)など。
日本から連れて行った猫が、シャムで、シャム猫と交換されたのは、可哀相でした。
楠木しげお(児童文学者・詩人)
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