初蝶の

初蝶の

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出版社
ふらんす堂
著者名
鈴木美喜子
価格
2,860円(本体2,600円+税)
発行年月
2021年7月
判型
四六判
ISBN
9784781413860

◆第一句集

初蝶の黄に逢ひ白に逢ひにけり



生来の抒情性が、客観写生の方法と結びつくと、句集『初蝶の』一巻の通奏低音となって有情写生句の美しさ、詩情をかもし出している。こうした傾向は、俳歴を重ねるにつれて、明らかな特色として、美喜子俳句を形成していることが見て取れる。

(序・伊藤肇)







◆自選十句

初夢のこよなくうれし母のゐて

祖母も来よ母来よ縁のあたたかし

安房なれや車窓に海と花菜畑

足元に闇のからまる蛍狩

恙なきことのしみじみ茄子の花

ひつそりと常の二人に夜の蝉

灯を消してよりの風情や月の供華

置き去りの様な花野の石ぼとけ

朝寒やきりりと結ぶ割烹着

ふるさとの校歌の山も眠りけり

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