忘れ水

忘れ水

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出版社
ふらんす堂
著者名
櫨木優子
価格
2,970円(本体2,700円+税)
発行年月
2021年6月
判型
四六判
ISBN
9784781413778

◆第三句集

かいつぶり眼くもれば潜りけり



老いが他人事であった頃には、見えなかったもの聞こえなかったことなど、自然や人事の襞が少しでも捉えられていればと念じて、集名としました。

(著者)



◆自選十二句

春の雪この世のものに触るるまで

かいつぶり眼くもれば潜りけり

ぼつてりと高野豆腐や春まつり

ゆふぐれの顔してあふぐ桐の花

十二月八日の空が井戸の底

歌かるた光源氏の札のなき

雲流れやまず桜の散りやまず

父の日や船にバラストあることも

ゆく夏や林に入れば風が見え

秋嶺の石鎚いまも波郷待つ

ものがたりひもとくやうに林檎むく

ともし火は人に寄り添ひ去年今年

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