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「わたし、〈天命評議会〉……辞める」
誰にも逆らえない「お願い」の力で世界を変えてきた日和。せいいっぱい世界を良くしてきた、はずだった。でも――
〈天命評議会〉の活動のなか、日に日に心を擦り減らす日和を見かねた深春は、彼女を〈天命評議会〉から抜けさせる。
しかしそれは、世界の情勢を狂わせ、二人の関係にも大きな亀裂をもたらしていく。少しずつ、しかし確実に壊れていく日常、見慣れた風景。そして――深春は見なくて済んでいた崩壊を、ついにその目にする。
「好きと言ってもらえて、大切にしてもらえて、とてもうれしかった――。元気でね、深春くん」
これは壊れたままのセカイで、それでも普通の彼氏彼女になりたかった二人の、もしかして、最後の恋物語。
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