親子鷹十手日和

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出版社
小学館
著者名
小津恭介
価格
792円(本体720円+税)
発行年月
2021年7月
判型
文庫
ISBN
9784094070361

魚菜には包丁を揮い、悪党には剣を振るう!

かつて、「詰碁同心」と呼ばれ、町奉行所の定廻りとして捕物に辣腕を振るった谷岡祥兵衛は、いまでは妻の紫乃とふたり、隠居に暮らす身だ。

若い頃に食いしん坊同士で意気投合、夫婦になってから幾年月。健やかに生まれ、馬鹿正直に育った息子の誠四郎に家督を譲り、気の利いた美しい春霞を嫁に迎え、気楽な余生を過ごしている。

今日も近所の子たちに書を教えたり、玩具を作ったりしていると、誠四郎が探索の相談にやって来た。

駒込で旅道具を売る〈笠の屋〉の主人・弥平が殺されたというのだ。框に倒れていた亡骸の腹に突き立っていたのは、凶器として珍しいと言える剪定鋏。

そして盗まれたのは、たったの一両だけらしい。

娘の佐代によれば、いつも袱紗に二十両を包んで、茶箪笥の抽斗に入れていたが、十九両が残っているというのだが――。

不可解な事件に父子で立ち向かう、篤い人情の通う、書き下ろし連作捕物帖。

【編集担当からのおすすめ情報】
昭和のテレビドラマやコントなどでよく見かけた、家族団らんのお茶の間風景が、すうっと記憶に蘇ってくる、懐かしい感覚を抱く時代小説です。

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